映画「ジョンウイック」がヒットし、続編「チャプター2」が制作されるにあたり主役のキアヌ・リーブスのガンアクション向上のため、実銃を使った射撃訓練の指導を行ったのが、TTI(タラン・タクティカル・イノベーションズ)のタラン・バトラーです。
タラン・バトラーはアメリカのプロ実弾射撃競技者で、USPSA
(米国実地射撃協会)のグランドマスターであると同時に、銃器のトレーニングやカスタムガンの制作を行うTTIの経営者でもあります。
TTIがカスタムし、キアヌの実弾訓練でも使われたグロック34とグロック26はプロップガン化され、チャプター2の劇中でも使用されたため、大きな注目を浴びました。
チャプター3では、2011コンバットマスター。チャプター4ではPit-Viperと、映画ごとに新しいTTI製カスタムモデルが開発され劇中に登場するのが、もう映画ジョンウイックの1つの楽しみになっていますね。
TTIが作るカスタムモデルは、タラン・バトラーが細部まで拘りぬきチューニングされ仕上げられた完成品のため、Pit-Viperで7,000ドルというお値段です。
ブローバックガスガン
可変ホップアップシステム
全長 215mm
重量 1,060g
装弾数 28発
価格 21,780円 (税込)
この銃の特徴 |
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〇映画「ジョン・ウイック コンセクエンス」に登場する、TTI-Pit Viperをモデルアップ。 |
〇中身はマルイーハイキャパをオマージュ。マガジンは基本互換性ありか。 |
〇リコイルショックは特別強くないけど、弾道の纏まりは良い。 |
映画「ジョンウイック4・コンセクエンスもやっと公開になり、エアガンにモデルアップされたPit-Viperへの関心も高まってきましたが、海外製ブローバック・ガスハンドガンの中にはメタルスライド製も多いので注意が必要です。
まあ気にしないと言う方なら良いのですが、私は国内法的にグレーゾーンのメタルスライドは避けています。
(これだけメタルスライドが流通していると、グレーと言う認識も希薄になってしまいますが。)
で、今回のダブルベルPit-Viperは樹脂スライドなので、気になる方もご安心を。
まあ販売価格からして、再現度は他メーカーの正式ライセンスモデルほど高く無いのかな、なんて想像したりしてしまいますが購入し易いのは助かりますよね。
ダブルベルPit-Viperの質感は、スライドが少し艶が有る事もありプラスチッキーな雰囲気。
ただ最大の特徴でもあるTTI製Pit-Viperの独特なセレイションやスライドに開けられたポート等、良く再現されています。
でも同じダブルベルの2011コンバットマスターの時と同様に、スライド側面の刻印類に色入れされていないのは寂し過ぎる。
実銃では、派手派手なスライド周りが特徴なだけに、残念です。
まさか他社製の正式ライセンスモデルに気を遣って、遠慮しているって訳でもないでしょうに。
ん~、コスト的に無理だから自分で入れてね!って事なのかなぁ~?
スライド上面は、TTIのマークが無いので寂しいですが、迫力の光景が拝めます。
Pit-Viperは、スライド先端に違和感無く装備された小型のコンペンセイターが特徴です。
そしてコンペンセイターとフレーム先端両サイドが連なって斜めに鋭くカットされています。
このカットされたフレーム先端部分を真上から見ると、まるで毒蛇の鋭い牙の様に見える事から「Pit-Viper(クサリヘビ科の毒蛇)」とネーミングされました。
EMG製やBATON製PIT-VIPERのコンペンセイターは、フレームに固定されてショートリコイルがオミットされていますが、ダブルベル製Pit-Viperのコンペンセイターは実銃と同時に固定されておらず、ショートリコイルするので再現性は高いです。
メタル製アウターバレルは、暗めのブロンズ色が良い色合いで雰囲気がありますね。
チャンバー部分の「9mm」の文字が刻印では無く、プリント(レーザー刻印では無い様な・・・)なのは残念。
フレーム底部のマウントレイルには、実銃と同様にアイテム固定用スリットは1本のみ。
雰囲気のある文字も書かれています。
が、マウントレイルの幅がやや広く、装着出来るフラッシュライト等は限定されそうです。
またマウントレイル底面のセンター部分は、2011コンバットマスターの様に窪みがありますが、実銃Pit-Viperのマウントレイル底面は、TTIのウエッブカタログを見る限り平です。
フロントサイトの集光サイトやリアサイトのフルアジャスタブルタイプ・サイトの形状は、とても良く再現されていますが、実銃のフロント集光チューブの色が黄緑色に対してダブルベル製は白色で、リアサイトのドットも実銃ではなにも無くて、全面が反射防止セレイションになっています。
ダブルベル製Pit-Viperで、もう少し頑張って欲しかったな~と思う部分がグリップで、実銃の様に全面ザラザラ感の雰囲気を出そうと言うのは伝わりますが、実際触るとマルイ製ハイキャパの様なツルツル感が有ります。
実銃は、粗いサンドペーパーか?と思わせる位のザラザラ感ですからね。
実銃のライトスピードハンマーやトリガーの再現性は、このモデルの価格帯からすれば文句もつけられないかな。
グリップセイフティは、マルイ製ハイキャパの様にポッコリ出っ張っていますが、実銃ではこの出っ張りは無く、控え目な形状になっています。
大型のマガジンキャッチ・リリースボタンやマグウェルは、とても使い易いです。
リリースボタンのテンションも適度な感触で、押し易いですね。
ダブルベル製のリリースボタン上面の滑り止めの模様は丸いですが、実銃はチェック柄です。
ダブルカラムマガジンの装弾数は、28発。
マガジンフォロアーを下げて、スリットの広くなっている投入口から装てんするか、BBローダーを使ってマガジンリップ部分から一気に流し込みます。
マガジンのガスタンクには、通常のHFC134a等のガスが25gほど装てん出来ますが、注入バルブが海外仕様のままなので、国産マガジンに注入してる時のシューって言う音も、タンクが満タンになった時のガスの吹き返しもありません。
なので無音のまま、適当な時間ガス注入作業をし続けなければいけません。
試しにどれ位の時間で注入出来るか計測してみた所、満タンに近いガス缶を使用して、注入5秒で50%、10秒で80%、15秒で92%、20秒でほぼ100%という結果でした。
なのでたっぷり入ってるガス缶でのガス注入なら、30秒注入すれば十分な感じですね。
マガジン・バンパー底部には、ちゃんとTTIのマークが入ってます。
一応マルイ製ハイキャパのマガジンと互換性ありと聞いていて、試しに使ってみると普通に撃てたのですが、気のせいか燃費が悪くなった様な気がしたので、数えてみるとガス1チャージで110発程撃てました。
ブローバックや初速の落ち込みは感じられませんが、ガスタンクの容量はダブルベル製と同程度なので、原因は不明ですが少し燃費が悪くなる様です。
一応Pit-Viperには装着出来たものの、ハイキャパに装着されているマガジンバンパーが干渉して影響があったのかも知れません。
ホップアップの調節は、フレームからスライドを外すとチャンバー下部にホッフアップ調整ダイアルがあるので、少しずつ回して調節します。
ついでに通常分解してみると、こんな感じ。
普通のパイキャパと同じ感覚で分解出来るので、難しい部分はありません。
おお~!これがPit-Viperと言う名前の由来となった、毒蛇の牙の様なフレーム先端か~!
なんて攻撃的な。
ダブルベル製Pit-Viperのグリッップは、全面シボ加工の様なプラ製グリッップなので、手の吸い付きがなく、しっかり握れる感は弱いですね。
それでも重量感があり、マルイ製ハイキャパより高めのスライド作動音と適度なテンションのスライド操作感で、気分は盛り上がります。
トリガープルは、フェザータッチのマルイ製ハイキャパよりは若干重い感じ。
ブローバックの作動性は良く、普通に快適に撃つ事が出来ます。
1回のガスチャージで130発ほど撃てるので、燃費は 0.19g/1発位と優等生です。
この個体はホップアップの掛かりが強く、0.2gBBだとホッフアップ調整ダイアルが最弱付近で適正ホップになる位でした。
ならば重い0.25gのBB弾を使えば良いのですが、この個体は初速がやや低めなので、更に飛び自体が弱々しくなってしまいそう。
まあジョンウイックの様に、近接戦闘メインの使い方なら問題無いですが。
弾の飛び自体は、変な癖も無く素直に飛んで行きます。集弾性も纏まりは良いですね。
今回は、外観のしつこい粗探しレビューになってしまいましたが、ダブルベル製Pit-Viperは他メーカーよりお求め易い価格帯という事で、気軽にジョンウイックの世界観に浸るには、とても良いモデルだと思います。
樹脂製スライドと言う点でも、個人的にはポイント高いです。
距離 10m 半径2cm刻みの円(横幅A4サイズ)
0.20gBB弾 10発
DB-PIT-VIPER | 30.8℃ 47% |
0.20gBB弾 平均初速 | 67.5m/s |
1発目 | 67.7m/s |
2発目 | 67.7m/s |
3発目 | 68.2m/s |
4発目 | 67.3m/s |
5発目 | 66.6m/s |
計測機器 XCORTECH-X3200 |