
タナカ ルガーP08 4インチHW 1918Erfurt
ブローバックガスガン
可変ホップアップシステム
全長 219mm
重量 640g
装弾数 15発
価格 30,580円 (税込)


第一次世界大戦が始まる数年前の1908年にドイツ軍に制式採用されたルガーP08は
ドイツ武器弾薬製造会社(DWM)が開発したトグルアクション式のオートマチック
ピストルで、30年後に後継機ワルサーP38が制式拳銃の座を引き継いだ後も
第二次世界大戦が起きてワルサーP38が供給不足になると、それを補うために
当面の間生産され続けました。
その独特な作動構造から「尺取虫」の愛称で呼ばれ、造形芸術と言えるその姿は
ナチスの幹部達にも愛好され、特注で作らせたゴールドメッキを施したルガーP08を
贈り合ったそうです。
どうりで、バイオハザードとか怪しげな場面にゴールドルガーが登場したり、劇中で
それっぽい組織の幹部とかが持ってたりする訳ですね。
こんなのを
しかしオートマチックピストルとしては、かなり初期の物なので加工精度は悪く
職人が一丁ずつ調整しながら組み上げていました。
同じ部品でも交換すると、再度調整が必要なため、組みあがった銃の部品には
同じ番号の刻印が施されました。
トリガーガードの内側の空間が狭く、手袋をした手では扱いにくい等軍用銃としても
問題が多い銃でした。
因みに、この銃の「ルガー」は社名では無く、開発者のゲオルグ・ルガーから
つけたもので、語呂が良いので正式名称っぽく定着してしまったらしい。
この銃のために開発された9mmパラベラム弾は、後継機ワルサーP38や
ベルギーの傑作銃ブローニングHPに採用され世界中に広まり、軍用銃の
スタンダードな弾薬となりました。

今回はタナカ製ルガーP08のヘビーウエイト樹脂モデルです。
最近はスチールジュピター・フィニッシュと言う仕上も加わっていますが、まだ
お目にかかった事は無いので、一度拝見したいものです。
今回のヘビーウエイト(以降HW)モデルは、「1918Erfurt バージョン」で
まさに1918年の第一次世界大戦終結までP08を生産し続けた、プロイセン政府所有
兵器工場であるエルフルトの刻印が施されたバージョンです。
HW樹脂の質感は、マットな仕上の中にも鈍い輝きがあり雰囲気があります。
トグル部分の亜鉛ダイカスト製パーツとの質感の相性も良いです。
残念ながらグリップは樹脂製ですが、木製グリップパネルの雰囲気は
出てると思います。

フレームやバレルのパーティングライン(成型痕)は綺麗に処理されていて
全く痕跡は分かりません。
トリガーガードの内側とか、外観をなめ回す様に見ても綺麗ですね。

レシーバー前方左側面にシリアルナンバーの刻印があり、その他のパーツも
下二桁の同じ数字が刻印されています。
これは実銃での、折角調整したパーツが入れ替わってしまわないための刻印を
再現したものです。

レシーバートップには、製造年の1918の刻印が。
トグル部分には、プロイセン政府所有の兵器工場を表す王冠マークの刻印。
その下にあるエルフルトが、兵器工場の所在地なのか、兵器工場の名前なのかが
よく分かりませんでした。
ベルリンの南西300㎞にエルフルトっていう都市があるのですが、そこの事なのか?
そこなら、当時のプロイセン王国領だったので。
製造した企業名の刻印は、後に秘密保持のため秘匿コードのアルファベット表記に
変えられたため、味のある刻印はこれが最後だったのかも。
レシーバー右側面の最終検査を示す鷲のマークは、プロイセン王国の国旗に
登場するもので、現在のドイツ政府旗にも引き継がれています。

フロントサイトは一体成型で、背面には反射防止のセレイションが
施されています。
リアサイトはV字型に切り込みの入った簡素な物で、切り込みも小さいので
サイティングは、やり難いですね。
リアサイトは、トグル上に設置されているので、ブローバック作動中は当然ながら
照準する事は出来ません。
レシーバー後端には、ランヤード(吊り紐)を取り付けるランヤードリングがあります。

マニュアルセイフティはレシーバー左側面後部にあります。
セイフティ・レバーを後方にスライドすると、セイフティ・プレートが下からニョキニョキっと
せり出てきて、シアーバーが動くのを妨げて撃てなくすると言う単純な構造。
セイフティ・レバーをセイフティ位置にすると、「GESICHERT」という文字が
出てきます。

マガジンの装弾数は15発。マガジン・フォロアーのスリットは右サイドにあります。
付属のBBローダーを使って装てんしますが、マガジン・フォロアーも下げ易く
作られているし、15発なのでマガジンリップから手でBB弾を装てんした方が早いかも?

ホップアップの調整は、フレームからレシーバーを外して行います。
まずマガジンを抜いて、バレル&レシーバーをショートリコイル(後退)させた状態で
ロッキング・ボルトを90度回し下げますが、これが固い。
本当に動くのか?と思うくらい固いですが、何回かガチャガチャやってたら
動きました。(何故か次回以降は比較的スムーズに動く様になりました)
次にコッキングしてトリガープレートを外し、バレル&レシーバーを前方に抜きます。
途中引っ掛かって抜けない時は、サブシアーバー先端を押し込みながら
スライドすると抜けます。
チャンバーの真下辺りにホップアップ調整用のネジ穴があるので、付属の六角ネジを
挿して回し調整します。

後は同じ手順で組み直して、試し撃ちをしてから、また分解してホップアップ調整の
繰り返しになります。
ん~これは面倒くさい。
バレル&レシーバーをフレームに戻す時に、引っ掛かりがあって最後まできちんと
戻らない時は、シアーを内側に(右方向に)スライドしてハンマーダウンさせると
戻ります。
実射

ホップアップ調整の面倒くささや、ハンマーが起きていないとマガジンの抜き差しが
出来なかったり、分解した後は一時的に作動が渋くなる事があったりなど、なにかと
手間なのですが、これも「味」と捉えるべきなのでしょう。
なんたって実銃が開発されたのは、第一次世界大戦より何年も前の事なのですから。
グリップも角度があるので、今時のハンドガンの感覚で腕を伸ばして構えると
銃口が、ちと上を向いちゃいます。
トリガープルの感触も少しゴリゴリ感がありますね。
オートマチックピストルの走りとも言える骨董品が、リアルなエアガンにモデルアップ
され、見事に再現されたトグルアクションのブローバック作動を目と手に伝わる
感触で楽しむのも、乙な物です。
フィールドで勝つためなら、マルイのハイキャパ辺りを持って行って下さい。
それとは少し次元の違うエアガンがルガーP08なのです。
とは言え、若干初速は低いものの、ホップのお陰で伸びやかな飛びを見せるし
ホップアップが安定してくれれば、集弾性も悪くなさそうです。
暖かい季節なら、実射性能も良くなりそうですが、今の時期にブローバック・ガスガンを
レビューするのは、酷だったかな。ガス圧も不安定になり易いし。
寒いせいかブローバック作動も大人しくて、リコイルショックは無いと表現していい
レベル。作動自体は確実に動いてくれますし、ホールドオープンもちゃんと
掛かりますけどね。
ナチスのコスプレに身を包み、ルガーP08を握り締めながら突撃し瞬殺されるのも
粋かもしれません。
タナカ ルガーP08 | 17.3℃ 44% |
0.20gBB弾 平均初速 | 62.6m/s |
1発目 | 63.2m/s |
2発目 | 62.2m/s |
3発目 | 63.1m/s |
4発目 | 62.4m/s |
5発目 | 62.3m/s |

距離 10m 半径2cm刻みの円 0.20gBB弾10発
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