1975年にチェコスロバキアのチェスカーズブロヨフカ(CZ)で開発
されたのが自動式拳銃 Cz75です。
元々輸出用に作られた銃なので、需要が高まってきた9mm口径で
多弾数の、ダブルカラムマガジン(複列弾倉)というスタイルで、各国の
軍や警察向けにアピールしてました。
社会主義国時代の国営企業という事で、西側ほど製造コストを
考えなくても良かった事もあり、高価な素材を優秀な工作技術で
丁寧に作り上げられ、フレームがスライドを包み込む様に噛み合って
ガタが少ない特徴的な構造も相まって、とても高精度な拳銃が
完成しました。
世界最大の市場を持つアメリカでも評価は高まり、コンバット
シューティングの父、ジェフ・クーパー(1920~2006アメリカ)をして
「理想のコンバットオート」と言わしめた程です。
まあ、ジェフ・クーパーが絶賛したのは、Cz75が「コック&ロック」
(ハンマーが起きた状態でセイフティにする事)が出来たから
なんじゃあないかな、と思ってますが。
コック&ロックのセイフティ・システムこそが、プロが使用する
コンバットオートに相応しいという思想だったので。
それは正にプロ目線。
一般の軍人や警察官にとっては、コック&ロックやデコッキング
システム(起きているハンマーを安全に落とすシステム)の無い
ダブルアクションなんて危なっかしいだけなんですけどね。
で、アメリカで人気急上昇になったCz75ですが、当時は
共産圏からの輸入は出来ず、カナダ等を経由して少量しか
入ってこなかったため、手に入らない名銃として過大評価され
数多くのコピー品が出回りました。
初期モデルが成功したCz75は、生産性向上のため仕様と
製造行程の変更を行いましたが、これがマニアの間では
精度や仕上げが落ちたと不評となってましたが、後に
輸入規制の緩和もあり商業的には良好だった様です。


KSC Cz75 2nd 07HW ブローバックガスガン
ブローバックガスガン
可変ホップアップシステム
全長 206mm
重量 830g
装弾数 23発
価格 24,200円 (税込)



KSC製ブローバックガス・ハンドガンシリーズと言えば、手間暇かけた
丁寧な仕上げで、特にヘビーウエイト・モデルの金属っぽさを演出する
質感は、ウエスタンアームズのカーボンブラック・モデルが登場する
までは、業界随一でした。
このCz75ヘビーウエイトも、フレームのパーティングライン
(線状の成型痕)処理などは、元から無かったかの様な綺麗さです。
ハンドガード内側までも完璧に処理されていて、拘りを感じます。
スライドやフレームの表面にヒケ等も見られませんし、艶消しで
細かくザラザラとした仕上げの質感は、とても雰囲気が良いです。
ただヘビーウエイト・モデルは、重量を増すために金属粉を
混入させている関係で、質感が部分的にムラになり易い
そうですが、言われてみればトリガーの上辺りの部分が
ムラッぽいのは、そのせいなのかな?
仕上げ塗装のムラかも知れませんが。

刻印類も正確に、細い文字がしっかり深く刻まれていて
実銃と見紛う程の雰囲気を醸し出してます。
まさにKSC製エアガンの真骨頂。
Czマークも正確ですね、リアルです。
余りにリアルに拘ったために、自社KSCの文字を目立たない
箇所に刻印すると言う念の入れようなのは恐れ入る。
まあ、そのKSC刻印を探すのもKSCファンの細やかな
楽しみですがね。

で、探してみたら有りました、マガジン挿入口に。
こりゃ分からん!
ちと暗くて撮影出来なかったので、樹脂製グリップパネルを
外してみると、グリップパネルには重量増のため
ウエイトが装着されてましたね。

Cz75はフレームがスライドを外側から包み込む様に噛み合って
いるので、スライドは小振りな形状をしています。
スライドを引くためのセレイション(滑り止め用の溝)もコンパクトで
少し摘まみ難く引き難いのですが、セレイシヨンの掘りが深く
エッジが立っていて、指に良く引っ掛かるので
それ程苦では無いですね。
フロントサイトとリアサイトはシンプルで、ホワイトの色入れも
無く、まるで大戦時代の古い軍用銃の様な出で立ちです。
フレームやスライド、それにチャンバー部等の各パーツに
同じシリアルナンバーが刻印してあるのも、其れっぽいですよね?

アウターバレルとトリガーはシルバーメッキが施されていて
良いアクセントになっています。
YouTubeの実銃動画とか見てると、バレルとトリガーがシルバーの
Cz75が出てくるので、実銃でも存在するバリエーションなのかな。
ハンマーがフルコック又はハーフコックの位置にある時に
セイフティにする事が出来、ハンマーはロックされます。
ハンマーがハーフコックの位置でも、セイフティを解除すれば
ダブルアクションで撃つ事が出来ます。
ハンマーが起きている状態でCz75を構えると、ダミーの
ファイアリングピンも見えてリアルです。
ダブルカラム(複列)マガジンなのでグリップは太いですが
ベレッタ92Fほど握り難くは無いですね。
グリップ部とグリップ・パネルの段差も、絶妙に
握り易さに貢献している様に感じます。
ただスライドリリースレバーを、グリップしてる手の親指で
操作しようとすると、これがかなり遠いです。

亜鉛ダイカスト製マガジンの装弾数は23発。
マガジン・フォロアーを一番下まで下げると、フォロアーが
ロックされるので、その状態でマガジンリップからBB弾を
1発ずつ装てんします。
マガジン・フォロアー下部にあるボタンを押すとロックが
解除されて元の、下からバネに押し上げられる状態に戻ります。

ホップアップの調整は、マガジンを抜いてからスライドを適度な
位置まで引いて(ホールドオープンさせても出来ます)
付属のホップアジャスターをチャンバーのギザギザに
噛み合わせて、アジャスターを左右に回して調整します。

通常分解は、まずマガジンを抜きスライドを少し引いてスライドと
フレームの切り欠きを合わせます。
するとスライド・リリースレバーが引き抜けるので外し
スライドを前方に押し出せば、スライドとフレームが外せます。
リコイルスプリングやアウターバレルは、簡単に外せますが
バネが以外に長くビロ~ンとしているので、嵌め込む時は
やや苦労します。
実射
KSC製Cz75を手に取ってみると、ヘビーウエイト・モデルなので
ズッシリとした重みが手に伝わってきます。
通常の状態だと、トリガーは前方に出ているので
ダブルアクション時には、ややトリガーが引き難く感じますが
ハンマーが起きている時のセミオートは、トリガーは丁度良い
位置にあり、トリガープルはフェザータッチと言える軽さで
フィーリングはとても良いですね。
スライドが重いので操作感は少しもっさりしていてブローバックの
作動性もおとなしめですが、その分撃ち応えは増している感じです。
ただ連射すると、マガジンの冷えの影響を感じ易いですね。
連射間隔が速くなるほど、顕著に感じてきます。
これは、やや小振りなマガジンのガス容量が影響しているの
かもしれません。
計測してみると、マガジン・ガスタンクの容量は10g程と
同じKSC製グロック17マガジンの14gと比べても
やや少な目。
マルイ製ハイキャパ用マガジンともなると、容量25gですから
安定作動には、たっぷりのガスと気化スペースが必要と
思えば、Cz75はやや不利なのかな。
因みにガス満タンで40発程撃てるので、燃費は
0.25g/1発になります。
弾の飛びは、精密型チャンバーになってから安定性が
各段に向上したと思います。
距離10mの集弾性もとても良いですね。
コレクターを唸らせる仕上げの丁寧さと、使える実射性能を
兼ね備えたKSC製Cz75ヘビーウエイトは、所有する
満足感を与えてくれます。
現代のポリマーフレーム・オート達には無い、独特の
雰囲気を愛でてみるのは、如何でしょうか。

距離 10m 半径2cm刻みの円 0.20gBB弾 10発
KSC CZ75 07HW | 27.7℃ 49% |
0.20gBB弾 平均初速 | 8m/s |
1発目 | 75.4m/s |
2発目 | 73.9m/s |
3発目 | 76.6m/s |
4発目 | 74.7m/s |
5発目 | 75.5m/s |

なるべく速く連射した場合と、1秒間隔で撃ち続けた場合の
マガジンの冷えによる、初速の低下を比較しました。
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