

マルシン CZ75 HW カート排莢式ガスブロ
カートリッジ排莢式ブローバックガスガン
固定ホップアップシステム
全長 205mm
重量 755g
装弾数 8発
価格 24,800円 (税別)


CZ75は、1975年にチェコスロバキアのCZ(チェスカー・ズブロヨフカ国営会社)
が開発した、9mm口径オートマチックピストルです。
初期のCZ75は、チェコスロバキアがまだ共産圏だった事もあり、たいして
コストパフォーマンスも考慮せずに高品質なスチールを削り出し加工したり
贅沢な素材と、高い加工技術で作り上げられました。
高耐久で高精度な銃に仕上がったCZ75は、コンバットシューティングの父
ジェフ・クーパー(1920~2006アメリカ)をして「理想のコンバットオート」
と言わしめ、一気に有名になりました。
しかし当時のアメリカは共産圏からの輸入は出来ず、カナダ等を経由して
少量しかCZ75が入ってこなかったために、「手に入らない最高のコンバットオート」
と化してしまい・・・実力より、とんでもなく高い評価をされる様になってしまった
・・・てところです。
1980年からは、便宜上セカンドモデルとも呼ばれるロングレイル型の
生産が始まりました。
セカンドモデルは生産性向上のために、製造方法が素材削り出しから
鋳造に変更され、デザイン的にもスライドとフレームが噛み合うレールが
フレーム先端まで延長されました。
1984年にはアメリカの輸入規制が緩和され、Cz75は正規ルートで輸入
される様になり、1991年サード、1992年フォース、1993年フィフスバージョンと
小変更が加えられました。
フィフスバージョンである、CZ75 B は現在(2022年)でもカタログモデルです。

マルシンのカートリッジ排莢式ブローバック・シリーズは昔からありましたね。
デュアルマキシ・シリーズって言ったかな?
アルミ製やプラ製のカートリッジだったり、完成度は高くないけどリアルな
アクションが楽しかったですね。
排莢式ブローバックガスガンなんて、滅多にお目にかかれる物では無いですし。
久しくご無沙汰してましたが、再販された物を見ると懐かしさオンリーで
手にしてました。
ただ、見た目と重量でヘビーウエイト仕様を選びましたが、作動性を考えると
スライドの軽いABS仕様だったかな~っと、ちょっぴり後悔。
外観はマットな仕上げで、グリップ辺りのフレームは表面が比較的ツルツル
していますが、上に行くほどザラザラ感が強くなっていきます。
側面の刻印がある辺りは、やり過ぎ感すらあります。
さらにフレーム右側側面のグリップパネル上辺りは、明らかに仕上げ塗装に
失敗したでしょ?的な、ムラになっています。
検品したのかどうか知りませんが、二万円以上するエアガンがこれでは
萎えます、ホントに。


CZ社の正式ライセンスを取得しているので、流石に刻印やマークは
正確です。 文字の太さも良い感じですね。
フレームの刻印からして、アメリカに正規輸出が始まった頃の
セカンドバージョン・後期型をモデルアップされてるみたいです。

フレームのパーティングライン(筋状の成型痕)は綺麗に処理されています。
意地悪く凝視して見れば、僅かに処理した痕跡が残っている部分もありますが
まあ、僅かです。

共産圏生まれだからか、法執行機関向けを意識して開発されたからか
フロント&リアサイトはシンプルで、ホワイトの色入れもありません。
スライド両側面を、外側から覆う様にフレームが噛み合ってる珍しい
形状のCZ75ですが、小振りなスライドのためコッキングセレイションも
小さくされているので、スライドは引き難いですね。

だぶんこれは構造的に仕方が無い事だと思うのですが、ハンマーが
実銃より縦方向にかなり太く作られています。
なのでハンマーが落ちてる状態でも、フレーム後部からはみ出てます。
しかも直線的に見えるので、不格好ですね。

セイフティレバーの操作感は軽すぎで、しかもセイフティや射撃位置から
更に余計に動いてしまいます。
セイフティや射撃の機能に影響は無いのですが、なんとも安物感を
感じてしまいます。

シルバーメッキされたアウターバレルは、真っ黒な銃の良いアクセントに
なっています。
マズルのライフリングも綺麗に再現されていて、奥の方に真鍮製の
インナーバレルが見えます。
インナーバレル長が短いのは、実射性能よりは、見た目のリアリティ重視
と言う事でしょう。

実銃のマガジンには、9×19mmパラベラム弾を15発装てん出来ますが
マルシン製CZ75の装弾数は8発です。
これはガスタンクのスペースも必要なため、カートリッジスペースを狭く
せざるを得ないため、ですね。
本体にはゴールドメッキのプラスチック製カートリッジが10発付属しますが
別売でゴールドとシルバー2種類のメッキカートリッジが発売されています。
カートリッジ底部のリムの部分に文字入れ等はありません。
カートリッジ先端にはゴムパッキンが装備されていて
BB弾がスッポリ収まります。
このBB弾のはまり具合が均一かどうかで、飛びの集弾性が決まってくるので
重要な部分でありますが、BB弾を装てんしていても良くわかりません。

通常分解は、まずマガジンを抜いてスライドとフレームの印の位置を
スライドを少し引いて合わせます。
するとスライドリリースレバーが抜ける様になるので、左側に抜き取ります。
後はスライドを前方に滑らせば、外れます。
リコイルスプリングやバレル一式は簡単に外せます。
インナーバレルも固定されていないので、アウターバレルから
そのままスルッと抜けます。
チャンバーからインナーバレルを覗くと、固定ホップアップラバーが見えますね。
安定性が増すと言われる、2点式(二股式)になっています。

銃を組み立てる時は、分解時の逆の手順で良いですが
最後のスライド・リリースレバーを差し込む時に注意が必要です。
スライド・リリースレバーを押し下げておくバネが、フレーム外側に付いているので
バネ先端の下を潜る様にスライド・リリースレバーを差し込みます。
実射
実銃で言えば、9mmパラベラム弾を15発装てん出来るダブルカラム・マガジン
(複列弾倉)なのでグリップは太めなのですが、同じ装弾数の実銃ベレッタ92Fほど
ではなく、グリップ根元のくびれも握り易さに貢献していて
指の短い私でも、握りしめた指先に力を入れて手元に引き寄せガッチリと
グリップする位の余裕はあります。
BB弾を装着したカートリッジをマガジンに装てんする所からワクワク感が
始まり、スライドを引いて初弾をチャンバーに送り込み
撃てば空薬莢が宙を舞う様は、流石排莢式ガスブローバックならではの醍醐味。
とてもリアルです。
射撃時のフィーリングですが、ヘビーウエイト・モデルなのでスライドも重く
ブローバックはモッサリしていて鋭さもありませんが、半面撃ち応えはありますね。
勿論元々ブローバックは弱い方なので、そこそこですが。
以外とジャム(排莢給弾不良=スライドの作動不良)は少なくて快調作動ですが
排莢の勢いや方向はバラバラです。

シングルアクション時のトリガープルは、重過ぎず軽過ぎず丁度良く滑らかです。
マルシン製CZ75は実銃と同じくダブルアクションの機能を持っていますが
ハンマーが落ちている状態では作動せず、ハーフコック(ハンマーが途中まで
起きている状態)だと、トリガーに連動してハンマーが起き射撃する
ダブルアクシヨンになります。
また、通常の状態でマガジンを装着してハンマーを起こしてトリガーを
引いても射撃しません。
一度スライド操作をしないと作動しない仕組みになっています。
なのでスライドがホールドオープン状態で、マガジンを挿しスライドリリースして
トリガーを引いた時は、問題なく撃つ事が出来ます。
ただ個人的にはデコッキング機能(ハンマーを安全に落とす機能)の無い銃の
ダブルアクションは使い難いです。
手作業でハーフコック位置までハンマーを落とすのが、何だか怖いのです。
それなら実戦向きなコック&ロック(ハンマーを起こしてセイフティにした状態)こそ
コンバットシューティングの真髄だから、それで腰に挿していろ!と言われそう。
で、弾の飛びですが、初速は低くホップアップも弱めのセッティングなので
飛距離は短いです。
ただ弾道は真っ直ぐなので、近距離の的当てなら楽しめますね。
距離10mの的当てでも、8発中毎回5発は排莢式としては集弾性もまあまあ
でした。
これは多分、カートリッジは同じ物を毎回使用したので、5発はBB弾と
カートリッジのパッキンとの相性が均一だったと言う事なのでしょう。
マルシン製CZ75の もう一つの特徴として、火薬を使わずに排莢アクションが
楽しめるモデルガンと言う側面もあります。
火薬を使うと射撃音は大きいですし匂いもします。使用後の手入れも
大変なんですが、エアガンならBB弾を装着しない事でモデルガン的に
気軽に幾らでも遊べます。
唯一の問題は、薬莢(カートリッジ)の紛失です。
プラスチック製のカートリッジは、良く飛ぶし良く転がります。
排莢の方向も一定では無いので、思わぬ所まで転がって隠れます。
屋内にも関わらず、この一周間で2発紛失しました。
大捜索したのに、です。
そんなこんなですが、やっぱりリアリティという事では、数少ない貴重な
存在なんですよね~。
もっとこのカテゴリーが発展すれば良いのにと、切に思います。

距離 10m 半径2cm刻みの円 0.20gBB弾 8発
マルシン Cz75 25.7℃ | 25.7℃ 42% |
0.20gBB弾 平均初速 | 46.4m/s |
1発目 | 50.2m/s |
2発目 | 45.4m/s |
3発目 | 43.4m/s |
4発目 | 43.9m/s |
5発目 | 49.3m/s |
マルシン Cz75 28.0℃ | 28.0℃ 43% |
0.20gBB弾 平均初速 | 53.9m/s |
1発目 | 59.2m/s |
2発目 | 55.3m/s |
3発目 | 49.4m/s |
4発目 | 48.3m/s |
5発目 | 57.2m/s |
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